平成23年10月30日(日)に郡山市にある日本大学工学部武道館にて第1回柔道指導者講習会が行われました。
9:00~ 開講式
9:05~10:35 講義 「安全指導」 ・・・ 東海大学医学部の先生
10:45~12:15 実技 「基本指導」 ・・・ 鮫島元成先生
12:15~ 閉講式
全柔連公認指導者資格制度
平成25年度から全柔連公認指導者資格制度が開始されます。
これまで柔道の指導者には20歳以上で有段者であればだれでも登録することができましたが、柔道指導者の指導力向上を図り、社会的信用を高め、地位を保証するなどの為、指導者資格の厳格化が求められていた。 五段以上に受験資格があるAから参段以上のCまでの3つの区分を新設予定で、大会の格付けによって指導者に必要な資格も異なります。(ただし、学校の部活動などについては別途例外を設ける予定。) 資格の取得には講習会の受講と審査試験が必要である。(ただし、移行期間においては今年度から来年度9月末までに全国で実施される講習会を受講後、全柔連の審査を受け、審査委員会によって認定される。
区分内容
A レベル・・・全国レベルの指導者としての専門的指導力を有する
大会参加資格・・・全柔連主催の全国大会で監督
年齢、段位、年限・・・24歳以上、5段以上、B所得後2年以上(継続して実務にあること)
B レベル・・・地区を代表するレベルの専門的指導力を有する
大会参加資格・・・全柔連主催の全国大会の出場権をかけた地区大会での監督
年齢、段位、年限・・・22歳以上、四段以上、C所得後2年以上(継続して実務にあること)
C レベル・・・指導に必要な基礎的指導力を有する
大会参加資格・・・都道府県大会での監督 ※AやB指導員の指導下で地区大会以上のコーチ
年齢、段位、年限・・・20歳以上、参段以上
講義 「安全指導」の内容
1.指導者の責任と安全配慮義務
2.事故要因と発生のメカニズム
3.柔道で起こりやすい怪我や事故
4.怪我や事故を未然に防ぐために
5.怪我や事故が起きたときの対応
怪我の受傷の部位は頭部、頸部が全体の78%を締めていて大きな事故になりやすい。関与した技は1位・大外刈、2位・内股、3位・背負投の割合であります。大外刈は受身が取りづらい。内股は自分で技を掛けて頭から突っ込む。背負投は両膝を着いて掛けた際、相手が頭から落ちる。内股は一発で反則負けです。指導者は内股を掛ける際、頭から突っ込みそうな選手がいた場合はそうならないよう厳しい指導が大切ということと、背負投も両膝を着かない片足をのばして掛ける背負投を指導している方を拝見しますが将来伸び悩む傾向が多いと感じていますので、立背負いを指導していたほうが選手も膝を怪我する可能性も少ないし、投げられた相手も頭から落ちる確率を少ないのではないかと思われます。(柔道中の頭部外傷時対応マニュアルの把握及び救急病院脳外科の連絡先の把握)
実技 「基本指導」の内容
1.教育としての柔道 柔道は教育である
ここに柔道を練習する意味がある
心・・・相手への思いやり、自制心、公正、協力、尽力
技・・・力の加減、相手への対応(三様の練習)、合理的な技の発見
相手を制する・・・相手をかばいながら制する。 相手が受け身を取ることができるようになげる。 相手の参ったを予測しながら絞める、きめる。
※このことは相手が 「いさぎよく」 なければ成り立たない
2.指導者の品格
指導される者(生徒)がいてはじめて指導者になることができる
教師はサービス業の範疇にあり、生徒に対する指導力向上の努力、また謙虚さが必要とされる。
生徒を見れば指導者がわかる (柔道の質、礼法、帯の結び方柔道着の着方、乱取り・試合のしかたなど) 生徒は鏡である、師を選べ、柔道衣を着たゴリラたち
3.指導の工夫
必ずしも体験的なものが絶対ではない、自分で獲得している技能を大切にし、さらに工夫し、発展させ、自分の指導法を確立させる 「守・破・離」
指導法に完璧というものはないし、絶対間違いというものもない、ただし、ケガをさせる指導は間違いと言える。
生徒の前では自信と勇気を持った指導が必要である。しかし、いつも謙虚に自省する、それが指導力の向上につながり、また生徒との信頼関係が向上する。
指導方針の明確化 「柔道を指導する・柔道で指導する」 何を指導したいのか・・・受け身、技、痛み、痛さ、厳しさ、楽しさ、自主性
4.「受け身」の意味
投げられる練習、負けの練習、人の痛みを知る練習
5.目的の考え方
指導者の目的と、生徒の目的がある (合致して初めて指導が成り立つ)
具体的な目的 (体力作り・友達作り・健康維持・礼儀・忍耐力・根性・集中力・落ち着いた人間・試合出場・試合に勝つ・世界チャンピオン)
6.試合の意味
一般的にテレビなどで見る柔道の試合は一流選手の試合である。そのルールを授業に採用することは無理がある、そこに指導の工夫に意味がある。
そして、試合に勝つことが最終目標なのか、試合に勝つことが人生の勝ちにつながるのか、勝ちの喜びはその瞬間のみ、だから勝つために努力した過程を大切にしたい、しかし、負けることの方が多い、その試合でチャンピオンはひとりしかいない、だから 「負けを通した人生哲学」を指導したい。
柔道衣を着た実技の練習も行いました
前方回転受身、実戦での受身、回転運動等

この頃、自分が思うに柔道に品のなさを感じております。つい近頃の大会では審判に注文を飛ばす指導者、応援者。他の競技ではそこまではひどくないという話が多々あります。柔道に係わったことのない人がどう思うかと感じています。こういったことも柔道離れの原因とも感じています。教育の一貫と講習でもありましたが現実は程遠いと・・・。もうひとつは今勝ちたいと考える保護者、生徒も見受けられます。一生懸命練習をして負けてもいいとはいいませんが、自分は柔道家で将来伸び悩む、ケガで棒を振る等の選手を拝見してきました。今勝つ柔道よりも将来伸びしろのある、ケガをしない、相手を尊重できる柔道家を育てるのが目標としてがんばっていきます。